入れ歯が合わない

入れ歯が合わない

入れ歯を使用する方の多くは、何よりもまず「フィット感」を大切にします。もし自身の入れ歯が合わない場合、不快感を感じるだけでなく機能面でもさまざまな問題が生じる可能性があります。それぞれの問題とその解決策について詳しく見ていきましょう。

目次

    合わない入れ歯を使い続けるとどうなるか

    合わない入れ歯を使い続けると、口の中で不適切な圧力が発生し、それが口腔内の痛みや不快感を引き起こすことがあります。また入れ歯のエッジが摩擦を引き起こし、口の中の柔らかい組織が擦り切れてしまうこともあります。入れ歯が痛みや口内の潰瘍を引き起こす原因となり得るのです。

    さらに、入れ歯がフィットしていないと、食事や話すときに移動したり落ちたりする可能性もあるでしょう。これは不快感だけでなく、外の場でのストレスや恥ずかしさを感じることにも繋がります。このように、不適合な入れ歯を長期的に使用することは、口腔の健康全体や日常生活に良くない影響を及ぼしかねません。

    以下ではさらに、合わない入れ歯を使い続けることで起こり得る症状について解説します。

    入れ歯が痛む

    入れ始めて最初の頃は合っていたとしても、入れ歯が古くなったり、口の形状が変わったりすることで徐々に合わなくなっていくこともあります。痛みを止める・和らげるためには、入れ歯を調整したり、新しい入れ歯に新調するといった選択肢があります。

    入れ歯を入れていると吐き気がする

    吐き気についても、入れ歯が合わない場合に起こりえる症状です。適合していない入れ歯が舌や喉を刺激すると、嘔吐反射が引き起こされ、それが吐き気感を生じさせる原因となります。

    入れ歯が外れてしまう

    入れ歯がフィットしていない場合、話す、食事をする、笑うなどの日常生活の動作の中で外れてしまう可能性があります。入れ歯が大きすぎると粘膜の動く部分に乗り入れ歯が動いてしまい、入れ歯が小さすぎると粘膜を覆う面積が小さくなるため、吸着力が弱くなります。

    入れ歯を入れていると喋りづらくなる

    言葉の発音には舌の正確な動きが必要です。喋りづらいと感じている方は、適合していない入れ歯によって舌の自由な動きを妨げられている恐れがあります。

    入れ歯の種類

    いくつかの異なる種類の入れ歯があります。一部は保険対象で、一部は自費となります。

    完全入れ歯

    これは全ての自然な歯が失われた際に使用されます。上顎と下顎の両方に対して作成可能で、患者さんの口腔の形状に合わせてカスタムメイドされます。完全入れ歯は、天然歯の外観を模倣したアクリル樹脂の人工歯と、ガム部分を模倣するピンク色のアクリルベースから成ります。

    部分入れ歯

    部分入れ歯は一部の歯が欠損している場合に使用されます。部分入れ歯は金属やアクリルなどのフレームに人工の歯が取り付けられ、フレームは健康な歯に固定されることで安定性を確保します。部分入れ歯は欠損部分を補いながら、健康な歯を支え、歯並びの変化を防ぎます。

    保険の入れ歯と自費の入れ歯の違い

    保険の入れ歯は、基本的な機能を果たすためのものである一方、後述するノンクラスプデンチャーなどの自費の入れ歯は、より自然な外観やフィット感を提供するように設計されていることが多いです。

    例えば、自費の入れ歯は、顔の形や口腔内の特定のニーズに合わせてカスタムフィットすることが可能で、素材や製法も高品質なものが多いです。ただし保険診療では取り扱うことができない素材などを使うため、結果的にコストとしては保険の入れ歯よりも高額になります。

    ノンクラスプデンチャーとは

    ノンクラスプデンチャーは、従来の金属製のクラスプ(バネ)を使用せずに口腔内で保持される新しいタイプの部分入れ歯です。柔軟性のある樹脂材料を使用し、残存歯や歯ぐきに自然にフィットするデザインになっています。

    ノンクラスプデンチャーのメリット

    • 審美性: 金属のクラスプが見えないため、より自然な外観を実現します。
    • 快適性: 柔軟な材料を使用しているため、装着感が良く、口腔内での違和感が少ないです。
    • 軽量: 金属を使用しないため、従来の入れ歯よりも軽量です。
    • 適応性: 口腔内の変化に対して柔軟に対応できます。

    ノンクラスプデンチャーのデメリット(リスク)

    • 耐久性: 金属製のクラスプを使用しないため、従来の入れ歯よりも耐久性が劣る可能性があります。
    • 適応症例の制限: すべての症例に適用できるわけではなく、残存歯の状態や欠損の範囲によっては使用できない場合があります。
    • コスト: 一般的に保険適用外であるため、従来の入れ歯よりも高額になる傾向があります。
    • メンテナンス: 定期的な調整や交換が必要となる場合があります。

    ノンクラスプデンチャーは、審美性や快適性を重視する方に適していますが、個々の口腔状態や生活スタイルに合わせて、歯科医師と相談の上で選択することが重要です。

    快適で自分に合った入れ歯を使用することは、口腔健康の改善と生活の質を上昇させることにもつながります。

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